施行日:平成31年 1月13日 | |
改正前 | 改正後 |
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(自筆証書遺言)
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
◆追加◆ 2 自筆証書
◆追加◆中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
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(自筆証書遺言)
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2
前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
3 自筆証書
(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
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(秘密証書遺言)
第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。 二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。 三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。 四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。 2
第九百六十八条第二項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。
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(秘密証書遺言)
第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。 二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。 三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。 四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。 2
第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。
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(普通の方式による遺言の規定の準用)
第九百八十二条
第九百六十八条第二項及び第九百七十三条から第九百七十五条までの規定は、第九百七十六条から前条までの規定による遺言について準用する。
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(普通の方式による遺言の規定の準用)
第九百八十二条
第九百六十八条第三項及び第九百七十三条から第九百七十五条までの規定は、第九百七十六条から前条までの規定による遺言について準用する。
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施行日:平成31年 7月 1日 | |
改正前 | 改正後 |
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目次
第一編-第四編 〔省略〕
第五編 相続
第一章-第二章 〔省略〕 第三章 相続の効力
第一節 総則
(第八百九十六条-第八百九十九条)
第二節 相続分(第九百条-第九百五条)
第三節 遺産の分割(第九百六条-第九百十四条) 第四章-第六章 〔省略〕
第七章 遺言
第一節 総則(第九百六十条-第九百六十六条) 第二節 遺言の方式
第一款 普通の方式(第九百六十七条-第九百七十五条) 第二款 特別の方式(第九百七十六条-第九百八十四条) 第三節 遺言の効力(第九百八十五条-第千三条)
第四節 遺言の執行(第千四条-第千二十一条) 第五節 遺言の撤回及び取消し
(第千二十二条-第千二十七条)
第八章 遺留分
(第千二十八条-第千四十四条) ◆追加◆
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目次
第一編-第四編 〔省略〕
第五編 相続 第一章-第二章 〔省略〕 第三章 相続の効力
第一節 総則
(第八百九十六条-第八百九十九条の二)
第二節 相続分(第九百条-第九百五条)
第三節 遺産の分割(第九百六条-第九百十四条) 第四章-第六章 〔省略〕
第七章 遺言
第一節 総則(第九百六十条-第九百六十六条) 第二節 遺言の方式
第一款 普通の方式(第九百六十七条-第九百七十五条) 第二款 特別の方式(第九百七十六条-第九百八十四条) 第三節 遺言の効力(第九百八十五条-第千三条)
第四節 遺言の執行(第千四条-第千二十一条) 第五節 遺言の撤回及び取消し
(第千二十二条-第千四十一条)
第八章 遺留分
(第千四十二条-第千四十九条) 第九章
特別の寄与 (第千五十条)
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(相続財産に関する費用)
第八百八十五条 相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。
2
前項の費用は、遺留分権利者が贈与の減殺によって得た財産をもって支弁することを要しない。
|
(相続財産に関する費用)
第八百八十五条 相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。
◆削除◆ |
◆追加◆ |
(共同相続における権利の承継の対抗要件)
第八百九十九条の二
相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。
2
前項の権利が債権である場合において、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。 |
(遺言による相続分の指定)
第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。 2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。 |
(遺言による相続分の指定)
第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
◆削除◆ 2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。 |
◆追加◆ |
(相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使)
第九百二条の二
被相続人が相続開始の時において有した債務の債権者は、前条の規定による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてその権利を行使することができる。ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りでない。 |
(特別受益者の相続分)
第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、
前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。 3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、 その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。 ◆追加◆ |
(特別受益者の相続分)
第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、
第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。 3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、 その意思に従う。
4
婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。 |
◆追加◆ |
(遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲)
第九百六条の二
遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。
2
前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。 |
(遺産の分割の協議又は審判等)
第九百七条 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の
◆追加◆分割をすることができる。
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その
◆追加◆分割を家庭裁判所に請求することができる。
◆追加◆
3
前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。
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(遺産の分割の協議又は審判等)
第九百七条 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の
全部又は一部の分割をすることができる。
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その
全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。
ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。 3
前項本文の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。
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◆追加◆ |
(遺産の分割前における預貯金債権の行使)
第九百九条の二
各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。 |
(包括遺贈及び特定遺贈)
第九百六十四条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。
ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。
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(包括遺贈及び特定遺贈)
第九百六十四条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。
◆削除◆ |
(遺言執行者の任務の開始)
第千七条 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。
◆追加◆ |
(遺言執行者の任務の開始)
第千七条 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。
2
遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。
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(遺言執行者の権利義務)
第千十二条 遺言執行者は
◆追加◆、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
◆追加◆
2 第六百四十四条から第六百四十七条まで及び第六百五十条の規定は、遺言執行者について準用する。
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(遺言執行者の権利義務)
第千十二条 遺言執行者は
、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。 2 遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。
3 第六百四十四条から第六百四十七条まで及び第六百五十条の規定は、遺言執行者について準用する。
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(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第千十三条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
◆追加◆
◆追加◆ |
(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第千十三条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
2
前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
3
前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
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(特定財産に関する遺言の執行)
第千十四条 前三条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。
◆追加◆
◆追加◆ ◆追加◆ |
(特定財産に関する遺言の執行)
第千十四条 前三条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。
2
遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第八百九十九条の二第一項に規定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。
3
前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金に係る契約の解約の申入れをすることができる。ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る。
4
前二項の規定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
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(遺言執行者の地位)
第千十五条 遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。
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(遺言執行者の行為の効果)
第千十五条 遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。 |
(遺言執行者の復任権)
第千十六条 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2
遺言執行者が前項ただし書の規定により第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第百五条に規定する責任を負う。 |
(遺言執行者の復任権)
第千十六条 遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
2
前項本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。 |
◆追加◆
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第二節
配偶者短期居住権
(配偶者短期居住権)
第千三十七条
配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める日までの間、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者(以下この節において「居住建物取得者」という。)に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下この節において「配偶者短期居住権」という。)を有する。ただし、配偶者が、相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったときは、この限りでない。
一
居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合 遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から六箇月を経過する日のいずれか遅い日
二
前号に掲げる場合以外の場合 第三項の申入れの日から六箇月を経過する日 2 前項本文の場合においては、居住建物取得者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはならない。
3
居住建物取得者は、第一項第一号に掲げる場合を除くほか、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができる。
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(遺留分の帰属及びその割合)
第千二十八条
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として ◆追加◆、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合
に相当する額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合
被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合
被相続人の財産の二分の一
◆追加◆ |
(遺留分の帰属及びその割合)
第千四十二条
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として 、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合
を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合
◆削除◆三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合
◆削除◆二分の一
2
相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。 |
(遺留分の算定)
第千二十九条
遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を
控除して、これを算定する。
2 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。 |
(遺留分を算定するための財産の価額)
第千四十三条
遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を
控除した額とする。
2 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。 |
第千三十条 贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。
◆追加◆
◆追加◆ |
第千四十四条
贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。
2
第九百四条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。 3 相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。 |
(遺贈又は贈与の減殺請求)
第千三十一条
遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。 |
◆削除◆ |
(条件付権利等の贈与又は遺贈の一部の減殺)
第千三十二条
条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利を贈与又は遺贈の目的とした場合において、その贈与又は遺贈の一部を減殺すべきときは、遺留分権利者は、第千二十九条第二項の規定により定めた価格に従い、直ちにその残部の価額を受贈者又は受遺者に給付しなければならない。 |
◆削除◆ |
(贈与と遺贈の減殺の順序)
第千三十三条
贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。
|
◆削除◆ |
(遺贈の減殺の割合)
第千三十四条
遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 |
◆削除◆ |
(贈与の減殺の順序)
第千三十五条
贈与の減殺は、後の贈与から順次前の贈与に対してする。
|
◆削除◆ |
(受贈者による果実の返還)
第千三十六条
受贈者は、その返還すべき財産のほか、減殺の請求があった日以後の果実を返還しなければならない。 |
◆削除◆ |
(受贈者の無資力による損失の負担)
第千三十七条
減殺を受けるべき受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。 |
◆削除◆ |
(負担付贈与の減殺請求)
第千三十八条
負担付贈与は、その目的の価額から負担の価額を控除したものについて、その減殺を請求することができる。 |
◆削除◆ |
(不相当な対価による有償行為)
第千三十九条
◆追加◆ ◆追加◆ 不相当な対価をもってした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものに限り、
これを贈与とみなす。
この場合において、遺留分権利者がその減殺を請求するときは、その対価を償還しなければならない。 |
◆削除◆
第千四十五条
負担付贈与がされた場合における第千四十三条第一項に規定する贈与した財産の価額は、その目的の価額から負担の価額を控除した額とする。
2 不相当な対価をもってした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものに限り、
当該対価を負担の価額とする負担付贈与とみなす。
◆削除◆ |
◆追加◆ |
(遺留分侵害額の請求)
第千四十六条
遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
2
遺留分侵害額は、第千四十二条の規定による遺留分から第一号及び第二号に掲げる額を控除し、これに第三号に掲げる額を加算して算定する。
一
遺留分権利者が受けた遺贈又は第九百三条第一項に規定する贈与の価額
二
第九百条から第九百二条まで、第九百三条及び第九百四条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額
三
被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第八百九十九条の規定により遺留分権利者が承継する債務(次条第三項において「遺留分権利者承継債務」という。)の額 |
◆追加◆ |
(受遺者又は受贈者の負担額)
第千四十七条
受遺者又は受贈者は、次の各号の定めるところに従い、遺贈(特定財産承継遺言による財産の承継又は相続分の指定による遺産の取得を含む。以下この章において同じ。)又は贈与(遺留分を算定するための財産の価額に算入されるものに限る。以下この章において同じ。)の目的の価額(受遺者又は受贈者が相続人である場合にあっては、当該価額から第千四十二条の規定による遺留分として当該相続人が受けるべき額を控除した額)を限度として、遺留分侵害額を負担する。
一
受遺者と受贈者とがあるときは、受遺者が先に負担する。
二
受遺者が複数あるとき、又は受贈者が複数ある場合においてその贈与が同時にされたものであるときは、受遺者又は受贈者がその目的の価額の割合に応じて負担する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
三
受贈者が複数あるとき(前号に規定する場合を除く。)は、後の贈与に係る受贈者から順次前の贈与に係る受贈者が負担する。 2 第九百四条、第千四十三条第二項及び第千四十五条の規定は、前項に規定する遺贈又は贈与の目的の価額について準用する。
3
前条第一項の請求を受けた受遺者又は受贈者は、遺留分権利者承継債務について弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、消滅した債務の額の限度において、遺留分権利者に対する意思表示によって第一項の規定により負担する債務を消滅させることができる。この場合において、当該行為によって遺留分権利者に対して取得した求償権は、消滅した当該債務の額の限度において消滅する。
4
受遺者又は受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。
5
裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、第一項の規定により負担する債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。 |
(受贈者が贈与の目的を譲渡した場合等)
第千四十条 減殺を受けるべき受贈者が贈与の目的を他人に譲り渡したときは、遺留分権利者にその価額を弁償しなければならない。ただし、譲受人が譲渡の時において遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときは、遺留分権利者は、これに対しても減殺を請求することができる。
2
前項の規定は、受贈者が贈与の目的につき権利を設定した場合について準用する。
|
◆削除◆ |
(遺留分権利者に対する価額による弁償)
第千四十一条
受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。
2
前項の規定は、前条第一項ただし書の場合について準用する。 |
◆削除◆ |
( 減殺請求権の期間の制限)
第千四十二条
減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び
減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
|
( 遺留分侵害額請求権の期間の制限)
第千四十八条
遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び
遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
|
(遺留分の放棄)
第千四十三条
相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
2 共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。 |
(遺留分の放棄)
第千四十九条
相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
2 共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。 |
(代襲相続及び相続分の規定の準用)
第千四十四条
第八百八十七条第二項及び第三項、第九百条、第九百一条、第九百三条並びに第九百四条の規定は、遺留分について準用する。 |
◆削除◆ |
◆追加◆
|
第九章
特別の寄与 |
◆追加◆
|
第千五十条
被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。
2
前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。
3
前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。
4
特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
5
相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。 |
施行日:平成32年 4月 1日 | |
改正前 | 改正後 |
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目次
第一編-第四編 〔省略〕 第五編 相続
第一章-第六章 〔省略〕 第七章 遺言
第一節 総則(第九百六十条-第九百六十六条) 第二節 遺言の方式
第一款 普通の方式(第九百六十七条-第九百七十五条) 第二款 特別の方式(第九百七十六条-第九百八十四条) 第三節 遺言の効力(第九百八十五条-第千三条)
第四節 遺言の執行(第千四条-第千二十一条) 第五節 遺言の撤回及び取消し
(第千二十二条-第千四十一条)
◆追加◆ 第八章 遺留分(第千四十二条-第千四十九条)
第九章 特別の寄与(第千五十条)
|
目次
第一編-第四編 〔省略〕 第五編 相続 第一章-第六章 〔省略〕 第七章 遺言
第一節 総則(第九百六十条-第九百六十六条) 第二節 遺言の方式
第一款 普通の方式(第九百六十七条-第九百七十五条) 第二款 特別の方式(第九百七十六条-第九百八十四条) 第三節 遺言の効力(第九百八十五条-第千三条)
第四節 遺言の執行(第千四条-第千二十一条) 第五節 遺言の撤回及び取消し
(第千二十二条-第千二十七条)
第八章 配偶者の居住の権利
第一節
配偶者居住権
(第千二十八条-第千三十六条)
第二節
配偶者短期居住権 (第千三十七条-第千四十一条)
第九章 遺留分(第千四十二条-第千四十九条)
第十章 特別の寄与(第千五十条)
|
(不特定物の遺贈義務者の担保責任)
第九百九十八条
不特定物を遺贈の目的とした場合において、受遺者がこれにつき第三者から追奪を受けたときは、遺贈義務者は、これに対して、売主と同じく、担保の責任を負う。
2
不特定物を遺贈の目的とした場合において、物に瑕疵があったときは、遺贈義務者は、瑕疵のない物をもってこれに代えなければならない。 |
(遺贈義務者の引渡義務)
第九百九十八条
遺贈義務者は、遺贈の目的である物又は権利を、相続開始の時(その後に当該物又は権利について遺贈の目的として特定した場合にあっては、その特定した時)の状態で引き渡し、又は移転する義務を負う。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 |
(第三者の権利の目的である財産の遺贈)
第千条 遺贈の目的である物又は権利が遺言者の死亡の時において第三者の権利の目的であるときは、受遺者は、遺贈義務者に対しその権利を消滅させるべき旨を請求することができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。 |
第千条 削除 |
(撤回された遺言の効力)
第千二十五条 前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が
◆追加◆詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。
|
(撤回された遺言の効力)
第千二十五条 前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が
錯誤、詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。
|
◆追加◆ ◆追加◆ |
第八章
配偶者の居住の権利
第一節
配偶者居住権 |
◆追加◆
|
(配偶者居住権)
第千二十八条
被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
一
遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
二
配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
2 居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。
3
第九百三条第四項の規定は、配偶者居住権の遺贈について準用する。 |
◆追加◆ |
(審判による配偶者居住権の取得)
第千二十九条
遺産の分割の請求を受けた家庭裁判所は、次に掲げる場合に限り、配偶者が配偶者居住権を取得する旨を定めることができる。
一
共同相続人間に配偶者が配偶者居住権を取得することについて合意が成立しているとき。
二
配偶者が家庭裁判所に対して配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出た場合において、居住建物の所有者の受ける不利益の程度を考慮してもなお配偶者の生活を維持するために特に必要があると認めるとき(前号に掲げる場合を除く。)。 |
◆追加◆ |
(配偶者居住権の存続期間)
第千三十条 配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。ただし、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めるところによる。 |
◆追加◆ |
(配偶者居住権の登記等)
第千三十一条
居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。
2
第六百五条の規定は配偶者居住権について、第六百五条の四の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。 |
◆追加◆ |
(配偶者による使用及び収益)
第千三十二条
配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。
2
配偶者居住権は、譲渡することができない。
3 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。
4
配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。 |
◆追加◆ |
(居住建物の修繕等)
第千三十三条
配偶者は、居住建物の使用及び収益に必要な修繕をすることができる。
2
居住建物の修繕が必要である場合において、配偶者が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、居住建物の所有者は、その修繕をすることができる。
3
居住建物が修繕を要するとき(第一項の規定により配偶者が自らその修繕をするときを除く。)、又は居住建物について権利を主張する者があるときは、配偶者は、居住建物の所有者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。ただし、居住建物の所有者が既にこれを知っているときは、この限りでない。 |
◆追加◆ |
(居住建物の費用の負担)
第千三十四条
配偶者は、居住建物の通常の必要費を負担する。
2
第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。
|
◆追加◆ |
(居住建物の返還等)
第千三十五条
配偶者は、配偶者居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物の所有者は、配偶者居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。
2
第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。 |
◆追加◆ |
(使用貸借及び賃貸借の規定の準用)
第千三十六条
第五百九十七条第一項及び第三項、第六百条、第六百十三条並びに第六百十六条の二の規定は、配偶者居住権について準用する。 |
◆追加◆
|
第二節
配偶者短期居住権 |
◆追加◆
|
(配偶者短期居住権)
第千三十七条
配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める日までの間、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者(以下この節において「居住建物取得者」という。)に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下この節において「配偶者短期居住権」という。)を有する。ただし、配偶者が、相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったときは、この限りでない。
一
居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合 遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から六箇月を経過する日のいずれか遅い日
二
前号に掲げる場合以外の場合 第三項の申入れの日から六箇月を経過する日 2 前項本文の場合においては、居住建物取得者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはならない。
3
居住建物取得者は、第一項第一号に掲げる場合を除くほか、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができる。
|
◆追加◆ |
(配偶者による使用)
第千三十八条
配偶者(配偶者短期居住権を有する配偶者に限る。以下この節において同じ。)は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用をしなければならない。
2
配偶者は、居住建物取得者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用をさせることができない。
3
配偶者が前二項の規定に違反したときは、居住建物取得者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者短期居住権を消滅させることができる。 |
◆追加◆ |
(配偶者居住権の取得による配偶者短期居住権の消滅)
第千三十九条
配偶者が居住建物に係る配偶者居住権を取得したときは、配偶者短期居住権は、消滅する。 |
◆追加◆ |
(居住建物の返還等)
第千四十条 配偶者は、前条に規定する場合を除き、配偶者短期居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物取得者は、配偶者短期居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。
2
第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。 |
◆追加◆ |
(使用貸借等の規定の準用)
第千四十一条
第五百九十七条第三項、第六百条、第六百十六条の二、第千三十二条第二項、第千三十三条及び第千三十四条の規定は、配偶者短期居住権について準用する。 |
第千二十八条から第千四十一条まで
削除 |
◆削除◆ |
第八章
遺留分 |
第九章
遺留分 |
第九章
特別の寄与 |
第十章
特別の寄与 |
施行日:平成32年 4月 1日 | |
改正前 | 改正後 |
---|---|
◆追加◆ | 附 則(平成二九・六・二法四四)抄 |
(遺言執行者の 復任権及び報酬に関する経過措置)
第三十六条 施行日前に遺言執行者となった者の旧法第千十六条第二項において準用する旧法第百五条に規定する責任については、なお従前の例による。
2 施行日前に遺言執行者となった者の報酬については、新法第千十八条第二項において準用する新法第六百四十八条第三項及び第六百四十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
|
(遺言執行者の ◆削除◆報酬に関する経過措置)
第三十六条 ◆削除◆ ◆削除◆ 施行日前に遺言執行者となった者の報酬については、新法第千十八条第二項において準用する新法第六百四十八条第三項及び第六百四十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
|
改正前 | 改正後 |
---|---|
◆追加◆ | 附 則(平成三〇・七・一三法七二)抄 |
◆追加◆ |
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。〔平成三〇年政令第三一六号で同三一年七月一日から施行〕ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
附則第三十条及び第三十一条の規定 公布の日
二
第一条中民法第九百六十八条、第九百七十条第二項及び第九百八十二条の改正規定並びに附則第六条の規定 公布の日から起算して六月を経過した日〔平成三一年一月一三日〕
三
第一条中民法第九百九十八条、第千条及び第千二十五条ただし書の改正規定並びに附則第七条及び第九条の規定 民法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第四十四号)の施行の日〔平成三二年四月一日〕
四
第二条並びに附則第十条〔中略〕の規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日〔平成三〇年政令第三一六号で同三二年四月一日から施行〕
五
〔省略〕 |
◆追加◆ |
(民法の一部改正に伴う経過措置の原則)
第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。 |
◆追加◆ |
(共同相続における権利の承継の対抗要件に関する経過措置)
第三条
第一条の規定による改正後の民法(以下「新民法」という。)第八百九十九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し遺産の分割による債権の承継がされた場合において、施行日以後にその承継の通知がされるときにも、適用する。 |
◆追加◆ |
(夫婦間における居住用不動産の遺贈又は贈与に関する経過措置)
第四条
新民法第九百三条第四項の規定は、施行日前にされた遺贈又は贈与については、適用しない。 |
◆追加◆ |
(遺産の分割前における預貯金債権の行使に関する経過措置)
第五条
新民法第九百九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に預貯金債権が行使されるときにも、適用する。
2
施行日から附則第一条第三号に定める日の前日までの間における新民法第九百九条の二の規定の適用については、同条中「預貯金債権のうち」とあるのは、「預貯金債権(預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権をいう。以下同じ。)のうち」とする。 |
◆追加◆ |
(自筆証書遺言の方式に関する経過措置)
第六条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日前にされた自筆証書遺言については、新民法第九百六十八条第二項及び第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 |
◆追加◆ |
(遺贈義務者の引渡義務等に関する経過措置)
第七条
附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(以下「第三号施行日」という。)前にされた遺贈に係る遺贈義務者の引渡義務については、新民法第九百九十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2
第一条の規定による改正前の民法第千条の規定は、第三号施行日前にされた第三者の権利の目的である財産の遺贈については、なおその効力を有する。 |
◆追加◆ |
(遺言執行者の権利義務等に関する経過措置)
第八条
新民法第千七条第二項及び第千十二条の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に遺言執行者となる者にも、適用する。
2
新民法第千十四条第二項から第四項までの規定は、施行日前にされた特定の財産に関する遺言に係る遺言執行者によるその執行については、適用しない。
3
施行日前にされた遺言に係る遺言執行者の復任権については、新民法第千十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
|
◆追加◆ |
(撤回された遺言の効力に関する経過措置)
第九条 第三号施行日前に撤回された遺言の効力については、新民法第千二十五条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。 |
◆追加◆ |
(配偶者の居住の権利に関する経過措置)
第十条 第二条の規定による改正後の民法(次項において「第四号新民法」という。)第千二十八条から第千四十一条までの規定は、次項に定めるものを除き、附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(以下この条において「第四号施行日」という。)以後に開始した相続について適用し、第四号施行日前に開始した相続については、なお従前の例による。
2
第四号新民法第千二十八条から第千三十六条までの規定は、第四号施行日前にされた遺贈については、適用しない。
|
◆追加◆ |
(政令への委任)
第三十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 |