訴訟手続中やその開始前に、相手方が財産や証拠を散逸させた場合には、勝訴やその後の執行が困難になる可能性がありますが、日本の民事訴訟では、そういった場面に対応するために、証拠保全や民事保全といった手続が用意されています。
仲裁手続でも同様に、仲裁廷による暫定保全措置という手段が用意されています。さらに近年、主要な仲裁機関では、仲裁廷の成立前に暫定措置を得られる、緊急仲裁という制度も整備されてきています。また、仲裁合意がある場合でも、裁判所の保全処分等を求めることも可能です。
現在、日本では、UNCITRALモデル法(2006)に合わせた仲裁法の改正が検討されており、2021年10月21日、法制審議会は、仲裁法制部会がとりまとめた「仲裁法の改正に関する要綱案」をもとに、法務大臣に「仲裁法の改正に関する要綱」を答申しました。その中には、仲裁廷による暫定保全措置について執行力を付与する等の改正が含まれています。
要綱に基づいて近いうちに成立すると見込まれる改正仲裁法によって、仲裁廷による暫定保全措置にどのような効力が与えられる見込みなのかということについて、裁判所の保全処分、緊急仲裁との比較も交えながら、わかりやすく解説します。
» 勉強会ご案内パンフレット[PDF:561KB]
開催概要 | |
日 時 | 2022年12月15日(木) 16:00~17:30 |
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開催方法 | オンラインにて、ライブウェブキャストセミナー(WEBオンラインセミナー)を開催いたします。 会社、ご自宅などWEB環境があればどこからでもアクセスいただけます。 お申込み後、セミナー開始前にセミナー視聴用URLをお知らせいたします。 |
参加費 | 無料 |
お申込み方法 | お申込み受付を終了いたしました。たくさんのお申込みありがとうございました。 |
プログラム | |
16:00~17:30 | 講師によるレクチャー |
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【講師紹介】
弁護士法人 大江橋法律事務所
弁護士 細川 慈子(ほそかわ あいこ)
2008年東京大学法学部卒業、2010年東京大学法科大学院修了、2017年University of California, Berkeley, School of Law卒業(LL.M.)。2017年7月
International Academy for Arbitration Law, Paris(Certificate)、2017年9月~2018年2月Gleiss Lutz (Stuttgart Office)勤務。ドイツ大手法律事務所の国
際仲裁プラクティスグループへの出向を含め、国際紛争解決(仲裁・訴訟)を中心に国際企業法務を広く取り扱った経験を有する。主な著書論文として、「ドイツ判例紹
介-ドイツにおいて仲裁判断に少数意見を記載することの許容性?-」(JCAジャーナル2020年12月号)、New Arbitration Rules Based on the Civil Law
Tradition ―The 2018 DIS Arbitration Rules, the Prague Rules, and the JCAA Interactive Arbitration Rules, Japan Commercial Arbitration
Journal Vol.1(2020)、『約款の基本と実践』商事法務(2020)、「ドイツ仲裁協会(DIS)の2018年仲裁規則改正について-ドイツの仲裁地としての利便性-」(JCA
ジャーナル2018年6月号)、「国際仲裁入門-比較法的視点から‐」(JCAジャーナル2018年1月号・2月号)ほか。
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