法情報処理、特に判例(法情報)データベースの利用とそれに基づいた判例理論の正確な理解及び射程の把握の能力は、法科大学院における必須の前提的且つ優れて専門・展開的な教育である。しかしながら、一方で、非法学部出身者や新たなメディアを用いた法情報処理教育を受けていない世代の学生、また、他方で、より深い法情報処理をマスターしたい学生、最新の法情報処理を再学習したい法曹等が存在することは否定できず、これらの者には、技法のみならず、内容的にも特化した授業を提供する必要がある。本講座は、正にそのような必要に如何に応えるかをワークショップ的に研究しようとするものである。
具体的には、日本及び米国を中心とした判例及び法律情報のデータベースの利用能力を高め、あるいは、リフレッシュし、法的推論の視座・展開力を増強することを含めた法情報学の実践を具体的な最新判例を素材に試み、翻って、その為に必要な判例及び法律情報データベースの機能等をデータベース 設置者にフィードバックすることにより、より高機能なデータベースの構築に寄与する。
最初の1回は、判例データベース(Westlaw Japan及びWestlaw International)の使用方法について、インストラクターによる実演を中心とした説明と実習を行う。残り7回については、主担当教員が選定する最新の最高裁判例及び高裁判例を用いた各専門の教員による法情報処理の実演(判例 研究)で構成する。
判例データベース(Westlaw Japan)の使用方法について、インストラクターによる実演を中心とした方法により、学習し、その後、自己の設定したテーマ判例 (日本国内判例)等について、判例研究の為の実践的なデータベース使用の習熟訓練を行う。
北居 功教授