講座名 | 1人PC1台を使ったHands-On「Legal Research講座」 |
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担当教員 | 佐藤 信行 教授 (中央大学法科大学院教授、中央大学副学長) |
日時 | 2011年9月6日~9月7日 |
会場 | 中央大学法科大学院(市ヶ谷キャンパス) 2301教室 |
講座内容 | 参加者が1人1台のコンピューターを使い、テーマごとに日本法・英米法のWestlaw各オンラインサービスを用いて、効率的な資料収集の方法を学びます。講座終了後は、懇親会を行いました。 プログラム詳細はこちら |
2011年9月6日と7日の両日、中央大学市ヶ谷キャンパスを会場に、中央大学法科大学院とウエストロージャパン株式会社様(WLJ)の共催による、リーガルリサーチ講座が開講されました。ご承知のように、WLJは、世界最大の法情報データベースの一つであるWestlaw Internationalの日本におけるベンダーであると同時に、日本法総合データベースであるウエストロージャパンの開発・提供者ですが、中央大学では、かねてよりこの2つのデータベースを多くの部署で研究教育に活用してきております。
そもそも中央大学は、1885年に英吉利法律学校として開学致しました。そこで、その歴史的経験から、一方では英米法そのものの教育に、他方では、判例を典型とする法の動態理解に基づく経験主義的教育に力を注いできております。この意味で、法情報データベースの活用は、私たちのいわばDNAに刻まれたものであると考えています。
そこで、中央大学では、これまでも様々な形で法情報データベースのベンダーの皆さまと協力関係を構築してきておりますが、今回は、WLJから寄付講座の形でボストン大学から講師をお招きしてLaw and Business Negotiationのトレーニングを行うプログラムと、今回のリーガルリサーチ講座を開講し、後者については、広く学生のみならず実務に携わっている皆さまにも公開したものです(なお、2012年3月にも再度2日間のリーガルリサーチ講座が予定されております)。これらは、「理論と実務の架橋」という法科大学院の役割の一つでもあろうと考えているところです。
今回は、初日に日本法、2日目に英米法を中心として、データベースの操作方法の紹介、日本法と英米法の法源に関する知識の再整理、課題を設定しての実習等を行いました。両日併せてのご出席を含め、多くの皆さまにご参加いただきましたことに、心から御礼申し上げます。私個人にとっても --私は、中央大学法科大学院の正規科目である、日本法と英米法の法情報調査を担当しております。-- 実務でご活躍の皆さまを対象とした講座を担当する機会をいただき、勉強になることが多く、感謝しております。
こうした講座では、実習のために何らかのテーマを設定しておりますが、実務の皆さまからいただくご意見は、とりわけ貴重なものです。とくに今回は、レベルを初級~中級の間に設定したことが背景の一つかと思いますが、一方では、難しかったとのご意見があり、他方では物足りなかったとのご意見も頂戴いたしました。これらを踏まえて、次回2011年3月の講座では、さらに一層の「理論と実務の架橋」に資すると共に、内容をより分かりやすくお伝えした上でご参加いただけるよう、準備を進めて参りたいと考えております。
具体的には、まずは、データベース操作を中心とする「法情報調査の手法」と法の解釈や判決の射程確定問題等を含む「法情報調査結果の活用」を相対的に区分しつつ、前者に力点を置いたセクションと、後者に力点を置いたセクションを設けるなどして、より専門的なニーズにお応えできる用意をはじめております。そもそも、法情報データベースは、データ自体に着目する限り、単なる情報アーカイブスに過ぎません。これを活用することによって、英米法にいう「生きた法」(good law, living laws)を発見し、紛争解決や予防に資することがどこまでできるか、リーガルリサーチの真価はそこにあろうかと存じます。
どうぞ、次回以降もWLJと中央大学の講座にご参加いただき、ご意見をいただければ幸いです。