第137号 外国で行われた価格カルテルに対して我が国の独占禁止法の適用を認めた事例
~最高裁第三小法廷平成29年12月12日判決※1~
文献番号 2018WLJCC013
同志社大学 教授
高杉 直
1.はじめに
グローバル経済の下、各企業は、国境を越えて経済活動を展開しているが、他方で、各国の法規制は、国単位で行われており、その規制内容も国ごとに異なっている。そのため、例えば、A国法が要求する行為をすると、B国法上、違法行為として責任が問われることになるなど、企業にとっては悩ましい事態に直面することがある。特に刑事罰・行政罰が科される場合には、A国法が要求する一定の行為をするとB国法による科罰がなされ、当該行為をしないとA国法による科罰がなされるという、深刻な状況に陥ることになる。そこで、各国は、原則として、自国の公法的な規制の対象範囲を自国内で行われた行為に限定している。これが国際法上の属地主義の原則である。しかし、自国の重大な利害関係に関わる事項については、国外で行われた行為をも規制対象にできるとの考え方(保護主義)が国際法上も認められている。実際に、我が国の刑法2条も、内乱罪、外患誘致罪、通貨偽造・行使罪などに関して、国外で行われた行為であっても犯罪として処罰する旨を定めている。
ビジネスに関連する法領域においても、外国での行為に対して自国法の適用を求める例が増加しつつある。例えば、競争法、証券法、輸出入管理法、贈収賄規制法などである。このように、国外での行為に自国法を適用するなど、自国領域を超えて自国法を他国に及ぼすことを「域外適用」と呼ぶ。前述の通り、複数の国が矛盾する命令を行う事態を避けるためにも、どのような場合に、どのような根拠で、自国法の域外適用が認められるかが問われることになる。
本件は、我が国の最高裁において、国外で行われた価格カルテルに対して我が国の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法、独禁法)が適用されるか否かが問題となった初めての事案である。
2.事実の概要
X(原告・上告人)は、マレーシアに本店を置くテレビ用ブラウン管の製造販売業者であり、韓国に本店を置く事業者である訴外A社(サムスンSDI)の子会社である。Y(被告・被上告人)は、我が国の公正取引委員会(公取委)である。
訴外B社(MT映像ディスプレイ)は、我が国に本店を置く事業者である。インドネシアに本店を置くb1、マレーシアに本店を置くb2、タイに本店を置くb3は、いずれもBの子会社であり、テレビ用ブラウン管の製造販売業を営んでいた。訴外C社(中華映管)は、台湾に本店を置く事業者である。マレーシアに本店を置くc1は、Cの子会社であり、テレビ用ブラウン管の製造販売業を営んでいた。訴外D社(LGフィリップス・ディスプレイズ)は、韓国に本店を置く事業者である。インドネシアに本店を置くd1は、Dの関連会社であり、テレビ用ブラウン管の製造販売業を営んでいた。訴外E社(タイCRT)は、タイに本店を置く事業者であり、テレビ用ブラウン管の製造販売業を営んでいた(A・B・C・D・Eをあわせて以下「親会社5社」という。)。
オリオン電機、三洋電機、シャープ、日本ビクター、および、船井電機(以下「我が国テレビ製造販売業者」という。)は、いずれも我が国に本店を置くテレビ製造販売業者であり、東南アジア地域にブラウン管テレビの製造を行う子会社もしくは関連会社又はその製造を委託する会社(これらを以下「現地製造子会社等」という。)を有していた。我が国テレビ製造販売業者は、親会社5社の中から1社又は複数の事業者を選定し、当該事業者との間で、現地製造子会社等が購入するテレビ用ブラウン管の仕様のほか、おおむね1年ごとの購入予定数量の大枠や、四半期ごと等の購入価格及び購入数量について交渉していた(以下、上記の選定及び交渉を「本件交渉等」という。)。なお、本件交渉等は、Aが選定された場合にはX、Bが選定された場合にはb1・b2・b3、Cが選定された場合にはc1、Dが選定された場合にはD・d1、Eが選定された場合にはEが、それぞれ現地製造子会社等にテレビ用ブラウン管を販売することを前提として行われていた(X、b1・b2・b3、c1、D・d1、Eを合わせて以下「販売8社」といい、販売8社にA・B・Cを合わせて「Xら」という。)。
我が国テレビ製造販売業者は、本件交渉等を経て、現地製造子会社等が購入するブラウン管の購入先、購入価格、購入数量等の取引条件を決定し、現地製造子会社等は、それぞれ我が国テレビ製造販売業者から指示を受けて、主に販売8社からブラウン管(以下、本件交渉等を経て現地製造子会社等が購入する上記ブラウン管を「本件ブラウン管」という。)を購入していた。
親会社5社、ならびに、X、b1、c1、および、d1は、本件ブラウン管の現地製造子会社等向け販売価格の安定を図るため、遅くとも平成15年5月頃までに、日本国外において、本件ブラウン管の営業担当者による会合を継続的に開催し、おおむね四半期ごとに、次の四半期における我が国テレビ製造販売業者との交渉の際に親会社5社が提示する、本件ブラウン管の現地製造子会社等向け販売価格について、各社が遵守すべき最低目標価格等を設定する旨合意した(以下、「本件合意」という。)。その後、b2・b3も本件合意に加わった(これにより、Xらすべてが本件合意に加わった)。しかし、その後、本件合意は、C・c1が平成19年3月30日に競争法の問題により本件ブラウン管の営業担当者による会合に出席しない旨表明したことなどから、同日、事実上消滅した。
平成15年から同19年までにおける現地製造子会社等の本件ブラウン管の総購入額のうち、販売8社からの購入額の合計の割合は約83.5%であった。
平成22年2月、Y(公取委)は、Xらが本件合意をすることにより、独禁法2条6項所定の「不当な取引制限」(価格カルテル)をしたとして、Xに対し、同法7条の2第1項に基づき、Xの現地製造子会社等に対する本件ブラウン管の売上額を基礎として算定された課徴金13億7362万円を納付することを命じる本件課徴金納付命令(本件命令)を発した。これに対して、Xは、国外で行われた本件合意について独禁法を適用することができないなどとして本件命令の取消しを求める審判請求をしたが、Y(公取委)は、これを棄却する旨の審決(本件審決)をした。
そこで、XがY(公取委)を相手に本件審決の取消しを求めて訴えを提起したのが本件である。原審である東京高裁(東京高裁平成28年1月29日判決※2)は、「本件合意は、正に本件ブラウン管の購入先及び本件ブラウン管の購入価格、購入数量等の重要な取引条件について実質的決定をする我が国ブラウン管テレビ製造販売業者を対象にするものであり、本件合意に基づいて、我が国に所在する我が国ブラウン管テレビ製造販売業者との間で行われる本件交渉等における自由競争を制限するという実行行為が行われたのであるから、これに対して我が国の独占禁止法を適用することができることは明らかである」と判示した上で、請求を棄却した。この判決を不服としてXが上告した。
上告理由において、Xは、①本件合意が国外で合意されたものであるところ、本件ブラウン管を直接購入したのは国外に所在する現地製造子会社等であること等から、本件は我が国の独禁法の適用対象とならない、②事業者が不当な取引制限を行い、それが商品の対価に係るものであるときの課徴金額の算定基礎となる当該商品の売上額(独禁法7条の2第1項)は、具体的な競争制限効果が日本で発生した商品の売上額に限定されるものと解すべきであるから、国外で引渡しがされた本件ブラウン管の売上額を課徴金額の算定基礎とすることはできない、などと主張した。
3.判旨
上告棄却。
- (1)上記①の上告理由について
- (a)「独禁法は、国外で行われた行為についての適用の有無及び範囲に関する具体的な定めを置いていないが、同法が、公正かつ自由な競争を促進することなどにより、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的としていること(1条)等に鑑みると、国外で合意されたカルテルであっても、それが我が国の自由競争経済秩序を侵害する場合には、同法の排除措置命令及び課徴金納付命令に関する規定の適用を認めていると解するのが相当である。したがって、公正取引委員会は、同法所定の要件を満たすときは、当該カルテルを行った事業者等に対し、上記各命令を発することができるものというべきである。」
- (b)「そして、不当な取引制限の定義について定める独禁法2条6項にいう『一定の取引分野における競争を実質的に制限する』とは、当該取引に係る市場が有する競争機能を損なうことをいうものと解される(最高裁平成22年(行ヒ)第278号同24年2月20日第一小法廷判決・民集66巻2号796頁参照)。そうすると、本件のような価格カルテル(不当な取引制限)が国外で合意されたものであっても、当該カルテルが我が国に所在する者を取引の相手方とする競争を制限するものであるなど、価格カルテルにより競争機能が損なわれることとなる市場に我が国が含まれる場合には、当該カルテルは、我が国の自由競争経済秩序を侵害するものということができる。」
- (c)「前記事実関係等によれば、我が国テレビ製造販売業者は、自社との資本関係又は緊密な業務提携関係に基づき、現地製造子会社等を含むグループ会社が行うブラウン管テレビの製造販売業全体を統括し、ブラウン管テレビの生産計画や仕様等を決定するなどした上で、現地製造子会社等に指示して製造させ、また、我が国テレビ製造販売業者又はその子会社等は、現地製造子会社等が本件ブラウン管を用いて製造したテレビの全部又は相当部分を購入した上で販売していたものである。このように、我が国テレビ製造販売業者は、ブラウン管テレビの製造業務については現地製造子会社等に移管又は委託していたものの、ブラウン管テレビの製造販売業の主体として引き続き自社及びその子会社等が行う当該事業を統括し、遂行していたものであり、現地製造子会社等は、我が国テレビ製造販売業者による指示を受ける関係にあったものということができる。そして、我が国テレビ製造販売業者は、ブラウン管テレビの製造販売業を統括し、遂行する一環として、その基幹部品であるブラウン管の購入先、購入価格、購入数量等の重要な取引条件を決定し、その購入を現地製造子会社等に指示し、現地製造子会社等に本件ブラウン管を購入させていたものである。さらに、我が国テレビ製造販売業者は、親会社5社との間で本件ブラウン管の取引条件に関する本件交渉等を自ら直接行っていたものであるところ、本件合意は、その本件交渉等において親会社5社が提示する価格を拘束するものであったというのである。」
- (d)「そうすると、本件の事実関係の下においては、本件ブラウン管を購入する取引は、我が国テレビ製造販売業者と現地製造子会社等が経済活動として一体となって行ったものと評価できるから、本件合意は、我が国に所在する我が国テレビ製造販売業者をも相手方とする取引に係る市場が有する競争機能を損なうものであったということができる。」
- (e)「以上によれば、本件合意は、日本国外で合意されたものではあるものの、我が国の自由競争経済秩序を侵害するものといえるから、本件合意を行ったXに対し、我が国の独禁法の課徴金納付命令に関する規定の適用があるものと解するのが相当である。所論の点に関する原審の判断は、是認することができる。」
- (2)上記②の上告理由について
-
(a)「独禁法の定める課徴金の制度は、カルテルの摘発に伴う不利益を増大させてその経済的誘因を小さくし、カルテルの予防効果を強化することを目的として、既存の刑事罰の定め(同法89条)やカルテルによる損害を回復するための損害賠償制度(同法25条)に加えて設けられたものであり、カルテル禁止の実効性を確保するための行政上の措置である(最高裁平成14年(行ヒ)第72号同17年9月13日第三小法廷判決・民集59巻7号1950号参照)。また、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令は、同法7条の2第1項を受けて、課徴金額の算定基礎となる売上額の算定方法について定めるが(5条及び6条)、その中に国内で引渡しがされた商品の売上額に限る旨の定めはない。」
- (b)「前記……のとおり、本件の事実関係に鑑みれば、本件合意は、我が国に所在する我が国テレビ製造販売業者をも相手方とする取引に係る市場が有する競争機能を損なうものであったということができる。そうすると、上記の課徴金制度の趣旨及び法令の定めに照らせば、本件ブラウン管の引渡しが国外で行われていたとしても、その売上額が課徴金額の算定基礎となる当該商品の売上額に含まれないと解すべき理由はない。」
- (c)「したがって、本件合意の対象である本件ブラウン管が現地製造子会社等に販売され日本国外で引渡しがされたものであっても、その売上額は、独禁法7条の2第1項にいう当該商品の売上額に当たるものと解するのが相当である。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。」
4.本判決の意義
本判決の意義として、①国外で合意されたカルテルに対し、それが我が国の自由競争経済秩序を侵害する場合には、独禁法の排除措置命令及び課徴金納付命令に関する規定の適用を認めたこと(判旨1)、②国外で引渡しがされた当該商品の売上額を課徴金額の算定基礎とすることができる旨を示したこと(判旨2)、を挙げることができよう。
- (1)独禁法の「域外適用」
第1の点は、独禁法の「域外適用」の問題に対して、一定の回答を与えたものである。
欧米では、競争法の域外適用に関し、自国領域外で行われた行為であっても、自国に実質的な効果・影響が生ずる場合には自国法を適用できるとの立場(効果主義)が採られている。これに対して、我が国では、自国領域内で行われた行為に対してのみ自国法を適用できるとの立場(属地主義)や、自国領域外で開始された実行行為が自国内で完結する場合には自国法を適用できるとの立場(客観的属地主義)が、従来、有力であった。もっとも、近時は、我が国でも効果主義を支持する見解が有力になっていたが(1998年ノーディオン事件、2002年の外国送達規定の整備、2008年マリンホース事件なども参照)、独禁法の国際的適用範囲に関する判例の立場は必ずしも明確ではなかった。
このような状況の下、最高裁が、本件で、「我が国の自由競争経済秩序を侵害する場合」には、「国外で合意されたカルテルであっても……同法[独禁法]の排除措置命令及び課徴金納付命令に関する規定の適用を認めていると解するのが相当」と判示したことは、実務上もきわめて重要な意義を有する。
最高裁の論理を端的に言えば、独禁法の趣旨・目的から独禁法の場所的な適用範囲を判断するという、国際私法学における「強行的適用法規」(絶対的強行法規や「公法」とも呼ばれる)に関して一般に主張されている考え方に沿ったものである(強行的適用法規の国際的適用範囲につき、櫻田嘉章=道垣内正人編『注釈国際私法 第1巻』39頁[横溝大]などを参照)。最高裁は、「我が国の自由競争経済秩序を侵害する場合」には、国外で合意されたカルテルに対しても独禁法の適用が肯定できる旨を判示したが、その根拠として挙げたのは、独禁法の目的(1条)であった。
その上で、本件合意が「我が国の自由競争経済秩序を侵害する場合」(=独禁法の適用基準)に該当するか否かについての具体的な検討を行った。すなわち、①「価格カルテルにより競争機能が損なわれることとなる市場に我が国が含まれる場合には、当該カルテルは、我が国の自由競争経済秩序を侵害するものということができる」との基準を示した上で、②「本件の事実関係の下においては、本件ブラウン管を購入する取引は、我が国テレビ製造販売業者と現地製造子会社等が経済活動として一体となって行ったものと評価できるから、本件合意は、我が国に所在する我が国テレビ製造販売業者をも相手方とする取引に係る市場が有する競争機能を損なうものであったということができる」との判断を行った(下線は筆者)。つまり、経済活動の一体性を根拠に、我が国に所在する者も取引の相手方とみることができるとして、我が国の市場の競争機能が損なわれているとの結論を導き出した。
上記の通り、学説上、「域外適用」の根拠に関する議論がなされているが、本件判旨の論理を前提にすれば、ある種の効果主義の立場とみることができよう。ただし、域外適用は、あくまでも国際法との関係で問題となり得るものである。独禁法の個別規定の適用が国際法に違反する場合には、当該規定の適用が認められないだけである。他の法領域における法規の適用の場合と同様に、裁判所として、わざわざ個別規定の適用が国際法に違反しない旨の認定を行う必要は、原則としてないであろう。それ故、国内法の問題として、立法の趣旨に従って各規定の場所的な適用範囲を検討すれば足りる。その意味で、本件判旨が域外適用の根拠(効果主義など)を明示的に論じなかった点も問題なかろう。
- (2)課徴金の算定基礎
第2の点は、国外で引渡しがされた当該商品の売上額を課徴金額の算定基礎とすることができることを認めた点である。
本判決を前提にすると、仮に本件合意が行われた東南アジアの当局が、東南アジア(および日本で)で引渡しがされた当該商品の売上額(これは、日本での課徴金額の算定の際に既に考慮されている)を算定基礎として課徴金(または制裁金)の支払命令を行った場合には、二重の制裁金を科すこと(過剰規制)になるかもしれない。しかし、違法行為の抑止のためには、過剰規制の可能性をも容認するという法政策上の選択もあり得るところである。いずれにせよ、過剰規制について、法の適用を任務とする裁判所として対応できることには限界があるのであって、基本的には、関係諸国の政府間・当局間の協議・協調や調整制度の創設によって最も適切な解決が図られることになろう。
- (3)関連する判決
なお、本件審決に関連して、本件のほかに2件の取消訴訟が東京高裁に提起されていた。第1に、B・b1・b2・b3が原告である①東京高裁平成28年4月13日判決 ※3は、「意思決定者と、供給を受けこれを使用収益する者とが異なる場合であっても、両者が一体不可分となって供給を受けたと評価できる場合は、意思決定者についても需要者として認めることができ、我が国に所在する当該需要者について、独占禁止法3条後段の適用が可能となると解するのが相当である」と判示し、独禁法の適用を肯定して原告の請求を棄却した。第2に、Aが原告である②東京高裁平成28年4月22日判決 ※4は、「現地製造子会社等が購入する本件ブラウン管については、その購入先、購入価格、購入数量等を実質的に決定していたのは我が国ブラウン管テレビ製造販売業者であるから、現地製造子会社等に対する本件ブラウン管の販売という一定の取引分野における競争においては、我が国ブラウン管テレビ製造販売業者も需要者に当たると認められる。……そうすると、現地製造子会社等に対し本件ブラウン管を販売するという一定の取引分野における競争は、需要者である我が国ブラウン管テレビ製造販売業者が所在する我が国において行われていたものと認められる」と判示し、同様に、独禁法の適用を肯定して原告の請求を棄却した。
これら①②の判決に対して原告が上告したが、上告不受理決定がなされている。最高裁は、「我が国に所在する我が国ブラウン管テレビ製造販売業者との間で行われる本件交渉等における自由競争を制限するという実行行為が行われた」ことを理由に独禁法の適用を肯定した本件原審に対する上告だけを受理し、本判決を下した。その意味でも、独禁法の適用基準として、「実行行為」が我が国で行われたことを要するとの立場(客観的属地主義の立場)を否定し、ある種の効果主義の立場を採ることを示したものとみることができるかもしれない。
(掲載日 2018年6月11日)