民間人による紛争解決の一種で、紛争の当事者が民間人(仲裁人)に判断を委ね仲裁判断(仲裁人の下した裁定)に従うという、当事者の合意に基づく紛争解決制度です。いわば、裁判官ではなく「民間人による裁判」です。
仮想事例を用い、できる限り実際の仲裁に近い状況下で、仲裁を体験する学生のための模擬体験型トレーニングです。学生が紛争当事者として自らの主張が認められるよう、仲裁人を説得することを目的とし、①自らの主張を記載した書面や相手方の主張に対する反論を記載した書面の作成、②仲裁人の面前での弁論が実施されます。
Vis Moot (William C.Vis International Commercial Arbitration Moot )は、1993年より毎年3月にオーストリア・ウィーンで開催されている世界的に有名な模擬仲裁大会で、米国ハーバード・ロースクールを初め、世界60カ国以上約250校が参加し、優勝を競っています。
課題の英文資料(約60頁)を読み込み、事案・論点の分析、原告(申立人)・被告(被申立人)の双方の側から、書面(各50頁)を作成した上で、ウィーンで実際の著名な仲裁人の面前で英語による弁論を行います。
世界各国の裁判例・仲裁判断例、各種文献を調査・検討後、書面作成・口頭弁論を準備、論理的かつ法的な英文書面の作成が要求されます。さらに、ビジネス感覚に適合した実務的で柔軟な弁論やプレゼンテーションを求められているため、高度な模擬体験型コンテストであり、参加者は実社会で通用する人材と評価されています。
Vis Mootの開催2週間前に、アジア地域の大学をターゲットとしVis East (William C.Vis ( East ) International Commercial Arbitration Moot )が、2003年より香港で開催され、20カ国の80大学が参加、日本からは大阪大学、神戸大学、同志社大学、北海道大学、早稲田大学などが出場しています。
Vis Moot 及びVis East に出場する日本の大学を支援、「次世代のグローバル人材を育てる」ことを目的に、Vis Japan、WESTLAW JAPAN CUP(ウエストロー・ジャパン杯)を京都(同志社大学)で2012年2月26日~27日に開催します。