21世紀に求められる弁護士像とは

法律事務所オーセンス
代表弁護士 元榮太一郎

司法制度改革により、今日の弁護士界は増員時代を迎えています。弁護士が増えることで法的サポートを求める多くの依頼者の受け皿になることが期待される半面、個々の弁護士の目にはこれまでになく弁護士間の競争が激化する時代の到来にも映ります。法曹を目指す皆さんの中にも、弁護士としての職業の将来に不安を感じている方がいるかもしれません。

しかし、この弁護士増員時代は、弁護士にとって大きなチャンスでもあります。これまでの弁護士の職業スタイルが変革を遂げ、各弁護士が依頼者の満足度を最大化するために、創意工夫によって多様な司法サービスが展開できる素晴らしい時代の到来だとも言えるからです。

さらには、弁護士事務所に勤務するという仕事のスタイルだけでなく、法曹資格を活かして、社内弁護士、公務員、政治家、起業家、企業の総合職、国連職員、NGO職員、政策秘書など、選択肢が広がっていく時代とも言えます。

司法は日本における数少ない成長分野として可能性に溢れていると思います。インターネットの普及で情報収集が飛躍的に便利になっていることもあり、依頼者である企業・市民が弁護士の有用性をより理解し始めています。超高齢社会や離婚増加といった問題が進む現代社会では、弁護士の力が活きる場面も増加傾向にあると言えます。

こうした時代環境の中で、それぞれの弁護士の創意工夫によって多様なサービスの展開が可能です。専門特化、生産性・効率性向上、ホスピタリティ向上など企業経営の発想、さらには企業の社会的責任(CSR)の発想を取り入れることで差別化の余地は大いにあります。

私自身は「インターネットで専門家をもっと身近に、もっと便利に。」を理念として、法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」(http://www.bengo4.com/)や専門家総合Q&Aサイト「mirey(マイリィ)」(https://mirey.jp)の運営をしています。きっかけは勤務弁護士時代に「インターネットで弁護士を身近にできたらすばらしいサービスになるのではないか」というアイデアが閃いたことです。頭の中に思いついたこの日本にまだない新しい価値を何としても実現したい。そこで大手法律事務所を退職し独立しました。司法試験合格を目指して勉強に没頭したあの頃ように、退路を断って必死に取り組めば必ず成果につながるはずだ、という確信がありました。独立当初は、収入もゼロで、経営やインターネットのことは全く無知でまさにこれから勉強という極限の状態。それでも、24時間365日1つのことだけを考えられる環境を作れば必ず活路は見出せる、と自分自身を鼓舞し、ハードランディングで起業をしました。

お陰様で弁護士ドットコムは、今では全国の弁護士の9人に1人に相当する3,500名の弁護士の先生方に利用いただき、月間で約8,000件の法律相談が寄せられるサイトに成長しています。

21世紀のこれからの時代は、これまで弁護士の諸先輩方が脈々と築かれてきた弁護士に対する国民の信頼を維持・向上させ、さらには、基本的人権の尊重と社会正義の実現という弁護士の使命を果たしながら、同時に、弁護士増員時代という劇的な環境変化に適応することができる弁護士が求められています。

皆さんの多くが備えている「若さ」は、こうした時代を生き抜くための貴重な財産です。順応性、即応性、気力、体力すべてがみなぎっています。自らが新しい時代の弁護士のロールモデルになるという気概を持って、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

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